危険な関係

安吾が絶賛してたなあ、と岩波の文庫を買ってから実に20年くらい放置を経て、本日読了。上下巻で長くて、上巻の1/3くらい読んで、面白いのかこれ?みたいな感じになり、また半年ぐらい放置して、こないだから1週間ぐらいでジリジリと読んだ。あらすじは、主要な登場人物6〜7人の175の書簡のみで構成されている18世紀フランス社交界での色恋絡みの権謀術数合戦つーかんじなんだが、美貌の悪女メルトルイユ公爵夫人の貫徹した腹黒さに痺れてから面白くなってきた。貞淑な未亡人という仮面を巧く利用しつつ、垂らし込んだ男の弱みは必ず握って、好き放題!遊んで飽きたら捨てる&社交界から抹殺!尚且つ恨みは買わぬよう裏工作張りまくり。逆に彼女にちょっとでも恥をかかせたら逆恨みされてトコトン籠絡される。日々、茹でガエルのような生活をしていると、反動的に何か強烈な感覚に酔って見たくなるけど、身心への副作用が少ない劇薬として、とても有用でした。